認証基盤とは?必要とされる背景や4つの機能、導入時のポイントを解説

2024/10/17

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さまざまなシステムやサービスを業務に用いるのが一般化するなかで、注目を集めているのが「認証基盤(統合認証基盤)」です。認証基盤の導入は、ユーザー(従業員)と管理者の双方にメリットがあり、セキュリティの強化にも寄与します。

本記事では、認証基盤の概要や注目される背景を解説するとともに、認証基盤を構成する機能の特徴や導入時のポイントなども紹介します。おすすめの認証基盤サービスについても案内しているので、ぜひ最後までご覧ください。

 

■認証基盤とは?

認証基盤(統合認証基盤)とは、複数のシステムやサービスにおけるユーザーの認証情報を、一元的に管理する仕組みのことです。

利用するシステムやサービスが増えるほど、ユーザーや管理者はより多くのID・パスワードやアカウントを扱わなければなりません。すると、利便性が低下するだけでなく、情報漏えいの可能性などセキュリティ面でも悪影響が出てしまいます。

認証基盤を導入すれば、共通のプラットフォームを経由してログインできるようになるため、システムやサービスごとにID・パスワードを入力する必要がなくなります。また、強固なセキュリティが備わっている認証基盤であれば、通常のログイン方法よりも安全性を高められるでしょう。

 

■認証基盤が注目される背景と役割

昨今、企業ではさまざまなシステムやサービスを業務に活用するのが一般的になりました。

業務においては効率化や生産性向上が期待できる一方で、ユーザーや管理者は保有・管理するID情報に関して新たな問題を抱えています。また、セキュリティ上のリスクも高まっていると考えられます。

このような現状を踏まえつつ、認証基盤が注目される背景や、認証基盤が果たす役割を詳しく見ていきましょう。

 

◇ユーザーの利便性の低下

ユーザーは、システムごとに設定したID・パスワードを記憶しておかなければなりません。

パスワードに関しては、定期的な変更が推奨されるため管理がさらに負担となります。複数のID情報を失念しないようにと、付箋にメモをしてパソコンに貼ったり、同じ文字列のパスワードを使い回したりと、不適切な管理にもつながりやすいでしょう。

また、ユーザーはシステムの数だけログイン作業を繰り返さなければならず、物理的な労力もかかります。

認証基盤により認証情報が一元管理されれば、共通のID情報で複数のシステムを利用できるようになるため、ユーザーの利便性が向上するでしょう。

 

◇管理者の負担増加

管理者は、システムごとに異なる認証方法をサポートしなければなりません。ユーザーからの問い合わせ対応やパスワードのリセット作業、アカウントの復旧作業などもシステムの数だけ増加します。

また、従業員の人事異動や退職にともなうIDメンテナンスの際にも、膨大な作業が負担となるでしょう。

認証基盤により管理者の負担を減らすことは、管理作業のミスを減らし、セキュリティを向上させることにもつながります。

 

◇セキュリティリスクの高まり

近年、不正アクセスをはじめとするサイバー攻撃が世界的に増加しています。万が一、サイバー攻撃を受けて顧客情報などが流出すれば、企業は社会的な信頼を失い、経営に悪影響が出るでしょう。

認証基盤の導入は、ユーザーや管理者の利便性を向上させるだけでなく、高度なセキュリティ対策により、不正アクセスやなりすましを防止しやすくなるのがメリットです。


 

■認証基盤を構成する4つの機能

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認証基盤をより細かく見ると、以下の4つの機能により構成されています。

  • •    シングルサインオン(SSO)
  • •    多要素認証(MFA)
  • •    統合ID管理
  • •    IDモニタリング

ここでは、それぞれの機能の概要を解説します。

◇シングルサインオン(SSO)

シングルサインオン(Single Sign On:SSO)とは、一度の認証手続きで複数のシステムやサービスを利用できる仕組みのことです。

シングルサインオンがあれば、何度もログイン操作を繰り返したり、複数のID・パスワードの組み合わせを記憶したりする必要もありません。ユーザーが同じID・パスワードを複数のシステムで使い回す行為も防げます。

シングルサインオンについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

関連記事:SSO(シングルサインオン)とは?メリットやSSOの仕組み「SAML認証」について

 

◇多要素認証(MFA)

多要素認証(Multi-Factor Authentication:MFA)とは、知識情報・所持情報・生体情報といった複数の要素を認証に用いる仕組みを指します。
各要素の具体例は、以下のとおりです。

要素 具体例
知識情報(Something You Know:SYK)
  • •    ID・パスワード
  • •    PINコード
  • •    秘密の質問・回答
所持情報(Something You Have:SYH)
  • •    スマートフォン(SMS、着信電話)
  • •    ハードウェアトークン
  • •    ICカード
生体情報(Something You Are:SYA)
  • •    指紋
  • •    顔
  • •    静脈

上記のなかから複数の認証要素を組み合わせることで、不正ログインを防ぎやすくなります。
なお、多要素認証についての理解を深めたい方は、以下の記事も併せて参考にしてください。

関連記事:多要素認証(MFA)とは?必要性や二段階認証との違い、導入のメリットを紹介

◇統合ID管理

利用するシステム・サービスの数やユーザー数が多い場合、管理者が全ユーザーのID情報を直接管理するのは現実的ではありません。

統合ID管理は、ID情報を一元管理するものであり、管理者は認証基盤でのID情報のみを管理すれば良くなります。従業員の採用・異動・退職にともなう業務負担を軽減でき、人為的ミスの抑制にもつながるでしょう。

◇IDモニタリング

IDモニタリングとは、認証基盤へのログイン情報をチェックし、休眠アカウントなどの不要なアカウントの検知・是正をする機能です。

不要なアカウントを放置すると、第三者による不正利用につながりかねません。また、アカウント数に応じて費用が発生するクラウドサービスを利用している場合は、不要なアカウントにより無駄なコストが発生している可能性もあります。

IDモニタリングの活用によりこれらの課題を解決し、IDの棚卸業務を効率化することが可能です。

 

■認証基盤を導入する際のポイント

認証基盤をスムーズに導入するためには、検討しておくべきポイントがあります。ここでは、大きく分けて2つのポイントを解説します。

◇既存システムとの連携可否

認証基盤サービスによって、連携可能なシステムが異なります。自社で利用するシステムと問題なく連携できるか、連携させるにはどのような方式なのかを、サービスの公式サイトなどで確認しておくことが大切です。

社内システムに関しては、認証基盤の導入にあたって改修が必要になるケースもあります。

 

◇サポート体制の充実度

認証基盤サービスの導入時や導入初期に、十分なサポートが受けられるかどうかもポイントとなります。

特に海外製品の場合は、サポートが日本語・日本時間に対応していないケースがあるため注意が必要です。

 

■認証基盤を導入するなら「GMOトラスト・ログイン」

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GMOトラスト・ログイン」は、ID・パスワード管理、SSO、認証強化、ID連携を備えた認証基盤のクラウドサービスです。

社内システムのほか、Google Workspace(G Suite)やMicrosoft 365(Office 365)、Cybozu(サイボウズ)などとの連携が可能です。つまり、従業員が日頃メインで利用するサービスを主体に活用できます。

情報セキュリティ管理の国際規格「ISO/IEC 27001」や「ISO/IEC 27017」を取得していることや、国内開発サービスのため日本語で迅速に対応できることも安心要素の一つです。
また、GMOトラスト・ログインなら、すべての機能に対応する「プロプラン」を選択した場合でも、1ユーザーあたり月額基本料金300円(税抜)で利用できます。事前検証から定着化までの導入支援サービスもオプションで受けられるので、ぜひご検討ください。

 

■まとめ

システムやサービスの活用が業務遂行に欠かせなくなっている昨今では、ユーザーの利便性の低下や、管理者の負担増加といった問題が生じています。また、人為的ミスやサイバー攻撃などによる、セキュリティリスクの高まりも見過ごせません。

複数のシステムやサービスでの認証情報を一元的に管理する「認証基盤」は、上記のような課題を解決するために重要な仕組みです。既存システムとの連携可否や、サポート体制の充実度などをもとに、自社に適した認証基盤の導入を目指しましょう。

セキュリティ面での安全性はもちろんのこと、利便性やコストパフォーマンスを重視したい方には、GMOトラスト・ログインがおすすめです。サービスに関するご不明点やご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

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GMOグローバルサイン株式会社
トラスト・ログイン事業部
プロダクトオーナー
森 智史

国内シェアNo.1のSSL認証局GMOグローバルサインで10年間サポート部門に従事。抜群の知識量と分かり易い説明で多くのお客さまからご支持いただく。
現在は自社IDaaSのプロダクトオーナーとしてお客さまの意見を伺いながら使いやすくセキュリティの高いサービスを開発者たちと共に作成中。