世界のシングルサインオン市場は2017-2023年に毎年13.7%成長

2019/01/18

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業務におけるクラウドサービスの活用が進展するとともに、それぞれのクラウドサービスにログインするために、1人あたりのユーザーが管理しなければならないID、パスワード数も増加を続けています。今回は、全てのシングルサインオン製品を含めた市場が力強い成長を続けている点について、ご紹介します。

 

 

シングルサインオン市場は、2023年まで二桁成長を続ける

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アメリカの調査会社によると、2017年には7億7,000万ドルだった全世界のシングルサインオン製品の市場は、2023年には16億6,000万ドルとなる見込みです。年間の平均成長率は13.7%となり、市場は6年で倍以上になると考えられています。

なお、この数字にはクラウド登場以前からある「エンタープライズシングルサインオン製品」、そしてクラウドへのシングルサインオンを前提とした製品を含める「フェデレーションと、Webベースのシングルサインオン」、そして「Windows統合シングルサインオン」の3種類の製品が含められています。

2017年時点、また2023年時点でも市場をリードして最大のシェアを有するのはアメリカ、カナダ、メキシコを含む北米地域です。そして、北米地域以上の市場を期待される地域としては、インド、中国、オーストラリア、そして日本が上げられています。

 

 

なぜシングルサインオン市場が成長するのか

シングルサインオン市場の成長の大きな理由は以下と推察できます。

 

1.クラウド利用の増加

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2000年代半ばまで、クラウドサービス(SaaS)を業務利用する企業は非常に少なく、自社でソフトウェアとハードウェアを購入して自前でシステムを構築・運用している企業が大半でした。これが、2000年代中盤以降からは、クラウドサービスの導入が基幹業務以外の領域から徐々に伸長し、2010年代に入ると基幹業務もクラウドサービス上で行ったり、またはクラウド基盤 (IaaS, PaaS)上で基幹業務システムを稼働させる企業が急増しました。

クラウド上とは、つまり自社ネットワーク外のインターネット上になりますので、旧来型の「同一社内のネットワーク上でのシングルサインオン」や「フェデレーションで信頼関係を結んだ組織同士でのシングルサインオン」だけでは、業務に必要なシステムのシングルサインオンが実現できなくなりました。

 

2.業務の外注化の伸長

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企業において、自社で雇用している正社員・契約社員・派遣社員といった「社員」が核となり、業務を遂行していくことは、2000年代も2010年代も変わりません。しかし、各部門必要とされる役割が広く深くなったことから、部署の担当者がこれらを精緻に追うことはもはや不可能になっています。

典型的な例がマーケティングです。かつては、広告・宣伝・イベントといった活動に予算を用意し、費用対効果は感覚で把握しながら進めていたマーケティングが、デジタル化により投資対効果を明確に測定できるようになりました。これは別な言い方をすると、投資対効果を測定できるが故に、マーケティングツール1つ1つが高度化し、これら全てを担当者が理解し、操作し、追跡することがほぼ不可能になったことを意味します。

このため、それぞれの分野についてマーケティング企業や専門家に仕事を発注し、その外注スタッフをいかに使いこなして成果を達成するかが、マーケティング担当者の業務となっています。もちろん、マーケティング担当者は自社の社員でなく、日常的に自社のネットワークを利用しているわけではないので、旧来的なシングルサインオンでは網羅できません。

 

3.リモートワーク、オフィス外での勤務の増加

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家庭のネットワーク速度の向上、4G (LTE) の速度向上ならびテザリングの普及は、オフィスの外でも問題なく業務を行える環境を作り出しました。

例えば、育児の為に時間短縮で働く従業員が、午後早い時間に帰宅して、子供のケアを行った後で、夜になってから自宅で残務を終わらせる、といった働き方はすっかり当たり前になっています。

また、出先での営業が終わった後や、出張の帰りに、会社には戻らずに近くのカフェで仕事してからそのまま帰宅する、という働き方も今では一般的です。駅前のカフェなどで、ノートパソコンを広げた多くのビジネスマンが忙しく仕事をしている光景は、日常化しています。

こうした「会社のネットワーク外」で働く人が、会社のネットワークに入りシングルサインオンを利用する方法はあります。その一例がVPNですが、VPNには速度低下やセキュリティといったリスクがあります。また、多くの社内情報がクラウド上で共有されている中、VPNを利用するのはコスト的に見合わないという議論もあります。

 

クラウド導入の進展が最も大きなドライバー

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上記の3点の中で最も大きな理由は、クラウド導入の進展です。オンプレミスで抱えていたシステムのクラウド化、社内で行っていた業務をクラウドで標準化・省力化するといった流れは今後も進展していきます。

IT業界のリサーチを行うガートナーが発表した予測によると、2018年に1758億ドル (19兆4800億円) 規模のパブリッククラウド市場は二桁成長を続け、2019年には2062億ドル (22兆8600億円)に、2020年には2403億ドル(26兆6400億円)に、そして2021年には2783億ドル(30兆8500億円)になると見込まれています。

つまり、クラウドサービスを利用して業務を進める流れは引き続き強まり、「自社ネットワークだけで完結したシングルサインオン」の置き換え、またスマートフォンというツールが広く普及したことによるシングルサインオン時のセキュリティ強化(スマホのAuthenticatorツールを利用したワンタイムパスワードなど)も合わせて強まると考えられます。そして、クラウドの利用に合わせる形で、就業形態や働き方も変わっていきます。

 

 

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