デバイス認証によるセキュリティの強化が重要!必要性や端末の識別方法、導入メリットを解説
不正アクセスを防ぐための効果的な認証方法として、デバイス認証が注目を集めています。働き方の多様化とともに私物デバイスで業務を行なう機会も増えた今、情報漏洩などのリスクを避けるための対策が重要です。デバイス認証の仕組みや必要性について理解し、より強固なセキュリティ体制の構築を目指しましょう。
この記事では、デバイス認証の概要や必要性、導入のメリットなどについて解説します。おすすめのデバイス認証サービスについても紹介しているので、アクセス管理を強化したい場合にはぜひ参考にしてください。
■デバイス認証とは?
デバイス認証とは、デバイス固有の識別情報によりデバイスを認証する方法のことです。デバイス認証では従来のようにユーザー個人ではなく、デバイスそのものを認証することによってアクセスコントロールを行ないます。
具体的な方法の一つとして、デバイスに証明書をインストールし、システムの認証基盤が証明書の有無を確認する方法があります。この場合、証明書がインストールされていないデバイスからのアクセスを拒否することが可能なため、アクセスコントロールに有効な手法です。私物デバイスによる社内ネットワークへのアクセスなども制限できます。
リモートワークなどの新しい働き方が普及したことにより、セキュリティリスクは従来と比べて高まっています。ネットワークの安全性や企業の信頼性を高めるためにも、ゼロトラストセキュリティの構築が急務です。アクセスコントロールを実現するデバイス認証は、ゼロトラストセキュリティの確立に貢献します。
ここからは、デバイス認証の対象となる端末やおもなアクセス先、具体的な利用シーンなどについて紹介します。
◇対象となる端末
デバイス認証の対象となる端末は、パソコンやスマートフォンなどです。パソコンならWindows機やMac、スマートフォンならiPhoneやAndroid端末、タブレットならiPadなどが対象となります。
さまざまなOSに対応しているため、異なる種類の端末でも一括で管理できることがデバイス認証の強みです。証明書をインストールした会社支給の端末からのみアクセスを許可すれば、私用端末からは業務クラウドへのアクセスなどを拒否できるようになります。
◇デバイスのおもなアクセス先
デバイスのおもなアクセス先としては以下の例が挙げられます。
●Webサーバー
●クラウドサービス
●リモートアクセス(VPN)
●ゼロトラストソリューション
●シングルサインオン
●IDaaS
これらのサービスは業務を安全かつ効率的に進めるうえで欠かせません。デバイス認証を導入してアクセスコントロールを行なうことによりトラブルの発生を防ぎ、業務に集中できる環境を整えられるでしょう。
◇デバイス認証の利用シーン
デバイス認証の利用シーンには以下のような場面があります。
●私物デバイスからの社内ネットワークへのアクセス制限
●会員向けサイトにおける、会員以外からのアクセス制限
●IDaaSのログイン認証
IDaaSの基本設定ではユーザーIDとパスワードを使って認証しますが、それだけではセキュリティ対策に不安を感じる人もいるでしょう。それは、IDとパスワードを入力すればどのデバイスからでもログインできるため、セキュリティ上の不安が残ることが理由です。そこで、IDaaSとデバイス認証を組み合わせることにより、強固なセキュリティが実現できます。
■デバイス認証の必要性が高まる背景
勤務形態の多様化やセキュリティリスクの変化を受けて、デバイス認証の必要性が叫ばれています。ここからは、デバイス認証の必要性が高まっている3つの背景について紹介します。
◇勤務形態の多様化
DX推進やリモートワーク普及の影響で、人々の働き方に対する意識が変わりました。オフィスへ出社せずに働くことも珍しくなくなり、在宅勤務などと組み合わせた自由な働き方が広まっています。
クラウドサービスの充実もあと押しとなり、現代社会では勤務形態が多様化しています。その結果、会社の端末が使えない時間帯や自宅での作業時などに、私物デバイスで業務を行なう場面も増えてきましたため、次に説明するセキュリティリスクの変化へとつながっています。
◇セキュリティリスクの変化
ニューノーマルな働き方が広まってリモートワークやBYODが普及したことにともない、企業にとってはセキュリティ体制の構築が難しくなっています。
会社が管理していない私物デバイスは、OSのアップデートを怠っているなど、脆弱性が潜んでいる可能性があります。しかし、業務において私物デバイスを使用する機会が増えたため、その脆弱性を突いたサイバー攻撃なども想定する必要があるでしょう。
例えば、すでにマルウェアに感染したデバイスを用いて会社のシステムにアクセスした場合には、感染拡大につながる恐れがあります。サイバー攻撃によって顧客情報の漏洩などが起これば、社会的信用の失墜にもつながるでしょう。
また、多様化するサイバー攻撃だけでなく内部不正への対抗策も講じる必要があります。情報処理推進機構の発表によると、「情報セキュリティ10大脅威 2025 [組織]」において「内部不正による情報漏えい等」は4位にランクインしています。
参考:情報セキュリティ10大脅威 2025|独立行政法人 情報処理推進機構
◇ゼロトラストセキュリティの台頭
勤務形態の多様化によりセキュリティリスクが変化した結果、ゼロトラストセキュリティと呼ばれる考え方が注目を集めるようになりました。ゼロトラストとは、社内と社外を区別せず、企業の情報資産へのアクセスはすべて信頼できないものとみなす考え方のことです。
リモートワークやクラウドサービスの普及により、社内ネットワークの境界を定義することが以前よりも難しくなりました。その結果、「あらゆる通信は信用できない」という前提に立ってセキュリティを構築する方法が主流となりつつあります。
ゼロトラストセキュリティでは、システムやクラウドサービスへのすべてのアクセスに対して認証と認可を行ないます。利用可能な端末に対して電子証明書を発行し、端末の信頼性を検証するデバイス認証を導入すれば、会社が管理していない端末からのアクセスを制限できます。信用できないデバイスからのアクセスを拒むことができるため、ゼロトラストセキュリティの実現がより容易になるでしょう。
■デバイス認証で端末を識別する方法
ここからは、デバイス認証における端末の識別方法について紹介します。
◇デバイス証明書の発行が基本
おもなデバイス認証では、「デバイス証明書」と呼ばれる電子証明書を端末ごとに発行します。インターネット上ではデバイス証明書が身分証明書の役割を担い、これをインストールすることによってデバイスから特定のサービスやネットワークへアクセスできるようになります。
そして、デバイス証明書を発行する機関が認証局です。第三者機関である認証局にはパブリックとプライベートの2種類があり、パブリックのほうが信頼性は高いとされています。
デバイス認証を導入する際には、情報セキュリティに関する国際規格を取得し、豊富な実績を持った認証局を利用することがおすすめです。信頼性の高い認証局が発行した証明書は偽造や改ざんが難しく、紛失などのリスクも低いといった特徴があります。
◇PKI(公開鍵基盤)について
デバイス証明書による認証では、PKI(公開鍵基盤)の仕組みを利用しています。PKIでは、公開鍵暗号方式を使って本人確認や通信の暗号化を行ないます。
公開鍵暗号方式は公開鍵と秘密鍵を対として利用し、一方の鍵で暗号化された文書はもう一方で復号できる仕組みです。公開鍵で復号できる文書を送ってきた相手はその対となる秘密鍵を持っていることが証明できるため、本人確認が可能となります。
デバイス認証の場合、端末が秘密鍵を保有しており、秘密鍵で暗号化したメッセージをシステムに送ってデバイス証明書の正当性を証明します。このように、デバイス認証の特徴は、PKIの仕組みによって安全性の高い認証方法を確立していることです。
◇デバイス認証実施の流れ
デバイス認証を実施する際の基本的な流れは以下のとおりです。
①認証局が発行したデバイス証明書を対象となるデバイスにインストールする
②秘密鍵で暗号化したメッセージとそのダイジェスト、そして証明書自体をデバイスからシステムに送る
③システムが証明書の正当性を確かめる
④システムが証明書に格納されている公開鍵を取り出し、メッセージを復号する
⑤復号したメッセージから生成したダイジェストと送られてきたダイジェストが一致した場合に、システムがアクセスを許可する
公開鍵によって復号したメッセージから生成したダイジェストと送られてきたメッセージのダイジェストが一致すれば、このデバイスは証明書に対応する秘密鍵を保有していることがわかります。秘密鍵を保有する正当なデバイスだと確認できたら、システムがアクセスを許可するという流れです。
なお、認証に使う秘密鍵をデバイス内で生成する場合、外部ネットワークを介さないためより安全性が高まります。デバイス認証のサービスを選ぶ際には、デバイス内で秘密鍵を生成可能な仕様のサービスを選ぶとよいでしょう。
◇従来の認証方法との違い
現在でもパスワード認証やメール認証などの方法が広く使われています。しかし、ユーザーIDとパスワードのみによる認証は、従業員の不注意などによって簡単に情報漏洩が起こりえます。
特に、私物デバイスを業務に使用している場合には注意が必要です。定期的なパスワードの変更なども推奨されており、手間がかかる点もデメリットといえます。
一方、認証局が発行するデバイス証明書であれば、パスワードのように盗まれるようなリスクは低いことが特徴です。KPIにより厳密に正当性を検証するため、手間をかけずに安全性を向上できます。このデバイス認証とほかの認証手段を組み合わせて利用することにより、セキュリティレベルをさらに高めることができるでしょう。
◇デバイス認証を導入するメリット
デバイス認証の導入により、企業は不正アクセスの防止や管理者の負担軽減といったメリットを享受できます。ここからは、デバイス認証を導入する3つのメリットについて紹介します。
◇不正アクセスの防止
デバイス認証は、デバイス証明書をインストールした特定の端末にのみアクセスを許可する方法です。証明書を保有しない第三者のデバイスからのアクセスをブロックできるため、不正アクセスを効果的に防げることが最大のメリットといえます。
IDとパスワードのみの認証だと、文字列を頻繁に変更していても人的ミスや総当たり攻撃による漏洩リスクは拭いきれません。対して、デバイス証明書は盗難の被害に遭いにくく、導入するだけで手軽にセキュリティを強化できます。
IDやパスワードの情報が流出してしまったとしても、デバイス認証と組み合わせていれば、そのデバイスがなければ社内ネットワークなどにアクセスできません。このように、不正アクセスの防止に高い効果を発揮する点がデバイス認証の特徴です。
◇管理者の負担軽減
デバイス認証では、デバイス自体の紛失や盗難でセキュリティリスクが高まった際も迅速に対処できます。デバイス認証はアクセス管理が容易で、管理者は紛失したデバイスの証明書をただちに失効できます。デバイスが見つかったときの再発行や、新たなデバイスに対する追加発行も可能です。
製品によっては、管理者による登録だけでなくユーザーからのリクエストでもデバイス登録できるものがあります。アクセスコントロールでセキュリティを強化しつつ、管理者の負担を軽減できる魅力がデバイス認証には備わっています。
◇管理外端末の利用防止
リモートワークなどで便利なBYODにはセキュリティ上のリスクがあります。例えば、私物デバイスを経由したマルウェア感染や、デバイス紛失にともなう情報漏洩などです。
パスワード認証や生体認証はユーザー自体の信頼性を確認するものです。本人であることが確認できれば、私物デバイスからでも会社のシステムやネットワークにアクセスできる可能性があります。
一方、デバイス認証の場合は正規ユーザーであっても管理外の端末からはアクセスできません。BYODによる予期せぬインシデントを回避し、よりセキュアな体制を構築できるでしょう。
■デバイス認証なら「GMOトラスト・ログイン」におまかせ
「GMOトラスト・ログイン」はIDを一元管理できるサービスです。「ID・パスワード管理」「認証強化」「ID連携」といった機能が備わっており、利便性の高さと強固なセキュリティを両立できます。
シングルサインオンによって、1度のユーザー認証で複数の社内システムやクラウドサービスを利用できる利便性の高さも大きな魅力です。
GMOトラスト・ログインの「デバイス制限機能」は、デバイス証明書を使って端末のアクセスを管理できる機能です。1ユーザー10台まで利用可能で、デバイス登録はユーザーからのリクエストにも対応しています。認証に必要な秘密鍵はデバイス内で生成しており、外部のネットワークを介さない安全な仕様です。
また、運営元のGMOグローバルサインはSSL認証局として20年以上の実績があります。国際規格であるISOからも情報セキュリティ管理の安全性を認められており、安心して利用できるサービスです。デバイス認証を導入する際は、デバイス制限機能を有するGMOトラスト・ログインをぜひご検討ください。
■まとめ
デバイス認証はユーザーではなくデバイス自体を認証する方法で、アクセスコントロールによる不正アクセス防止などの効果があります。BYODの防止や管理者の負担軽減にもつながるため、セキュリティ強化に役立つでしょう。
GMOトラスト・ログインでも、デバイス制限機能によってデバイス認証のサービスを提供しています。業務クラウドの増加にともないセキュリティリスクの高まりを感じている場合には、GMOトラスト・ログインを導入し、デバイス制限機能を活用してアクセス管理をしてみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
GMOグローバルサイン株式会社
トラスト・ログイン事業部
プロダクトオーナー
森 智史
国内シェアNo.1のSSL認証局GMOグローバルサインで10年間サポート部門に従事。抜群の知識量と分かり易い説明で多くのお客さまからご支持いただく。
現在は自社IDaaSのプロダクトオーナーとしてお客さまの意見を伺いながら使いやすくセキュリティの高いサービスを開発者たちと共に作成中。