不動産営業の顧客管理に役立つCRM・SFAとは?機能やメリットについて解説
業務の効率化・DX化を図るには、顧客管理へのCRMやSFAの導入が有効です。
特に不動産業界では顧客管理の手法をテコ入れできず、大きな課題となっている場合も多いでしょう。CRM・SFAの導入は顧客管理の効率化だけでなく、成約率の向上や情報の資産化、顧客満足度アップも期待できます。
本記事では、不動産業界における顧客管理の課題と、CRM・SFAの導入によるメリット・デメリットを解説します。顧客管理に課題を感じている不動産業界の方は、CRM・SFAの導入を検討しましょう。
■不動産業界における顧客管理の課題とは?
古い手法や自社システムによる業務体制から脱却できず、顧客管理に課題を抱えている不動産業者はいくつもあります。
不動産業界が抱える顧客管理の課題は、以下の4点です。
◇業務効率が悪い
不動産業界では顧客情報の管理や対応状況、各種書類作成などを古くからの慣習やプロセスで行なっている企業も珍しくありません。
従来の方式が効率的な手法として確立できているなら問題ありませんが、昔から続くやり方の維持を重視するあまり、業務の効率化を図れていない場合もあります。
例えば、自動化が可能であるにもかかわらず手作業での業務を続けることは、業務効率を低下させてヒューマンエラーを誘発したり、顧客を取りこぼして機会損失につながったりする要因です。必要に応じてデジタル化や自動化を検討しましょう。
◇既存システムが古い
コストや業務の都合から、古い基幹システムやメインフレームを使っている企業が多い点も課題です。
専用システムの導入やリプレースにはコストがかかるからと、Excelなどの表計算ソフトで顧客管理を行なっているケースもあるでしょう。たしかに表計算ソフトは有用ですが、顧客管理で使うには機能面で不足があるのも事実です。
古いシステムを使い続けていると、業務効率を改善できないばかりか、セキュリティの脆弱さから情報流出などの問題が発生する恐れもあります。
◇購買行動の変化への対応力が足りない
インターネットやスマートフォンが普及した現代では、物件を検索・閲覧できるサイトがWeb上に多数存在しています。まずはWebで物件を探す方も増えており、購買行動のプロセスは目まぐるしく変化している状況です。
さらに、物件の耐用年数がのびたことや新型コロナウイルスの影響から、顧客のニーズにも変化が見られます。
このような購買行動の変化に合った対応が求められるなか、不動産業界では旧来の習慣や手法からアップデートできず、ニーズに応じられていない企業が存在するのも事実です。
変化に合った対応ができるよう、不動産業界では顧客管理の効率化を図る必要があります。
◇情報共有ができていない
不動産業界では、顧客ごとに担当者を固定しているケースが一般的です。
担当者が付くことで深く寄り添ったサービスを提供しやすくなり、担当者ごとの営業成績が明確になる反面、業務が属人化しやすいという問題も抱えています。
営業情報の共有が社内で進まないままだと、担当者が不在時にはスムーズな対応ができず、顧客に不満を感じさせる可能性があります。
■不動産営業の顧客管理はCRM・SFAで効率化できる!
前項で紹介した不動産業界が抱える課題は、CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)を導入し、顧客管理を効率化することによって解決可能です。
CRMやSFAの概要、機能は以下でくわしく解説します。
◇CRM(顧客管理システム)
CRMは顧客に関する情報を一元的に管理し、良好な関係構築につなげるためのシステムです。
顧客へのアプローチの最適化や集客施策で活用されることが多く、なかには不動産業界に特化したCRMもあります。
CRMが持つ機能の詳細はシステムごとに異なりますが、おもな機能は以下のとおりです。
・顧客情報の自動登録、管理・更新
・顧客の来店スケジュールの管理
・顧客へのメールの自動送信
・メッセージアプリとの連携
不動産ポータルサイト経由の問い合わせが顧客情報として自動的に登録され、そのあとの状況も随時更新可能です。この機能により社内で顧客情報を共有しやすくなるうえ、業務の属人化防止にもつながります。
顧客の来店スケジュールを管理できるCRMなら、顧客の取りこぼしによる機会損失を効率的に減らせるでしょう。
相談内容や顧客の行動に応じた案内メールを自動送信する機能があれば、従業員が個別にメールを作成・送信していた時間を短縮できます。
さらにアプリと連携できるCRMなら、アプリから情報配信をすることで、見込み客・既存客と距離感の近いコミュニケーションが取りやすくなります。
◇SFA(営業支援システム)
SFAとは、営業活動の効率化や売上の向上を支援するためのシステムです。不動産業界でもよく活用されており、業務効率化に大きく寄与しています。
SFAが持つ機能としては、おもに以下のものが挙げられます。
・商談情報や案件情報の管理
・顧客情報の管理
・情報の記録・分析および資料作成
商談や案件の情報をSFAで一元管理できれば社内で進捗を把握しやすくなり、担当者の不在時でもスムーズな対応が可能です。タスク化やリマインド、アラートなどの管理機能を備えていれば、業務の見落としも防げます。
SFAのなかには、CRMの機能を備えていたり、外部データベースと連携して顧客情報を管理できたりするものも存在します。業務に必要な情報を一元化できれば、システムごとに情報登録・更新する手間もかかりません。
また、顧客の流入経路や行動履歴、成約までのリードタイムといった情報の記録・分析は、効果的な営業手法を考える際にも役立ちます。集約した情報から会議資料を作成する機能もあれば、資料作成の負担も削減できます。
■不動産営業にCRM・SFAを導入するメリット
CRM・SFAの導入メリットには、次の4点が挙げられます。
・業務効率化につながる
・成約率の向上が見込める
・顧客情報を資産化できる
・顧客満足度の向上が見込める
それぞれ、くわしく解説します。
◇業務効率化につながる
CRM・SFAを導入すると、顧客情報や業務プロセスの一元管理が可能になります。
顧客情報の自動登録機能や商談内容の管理機能があれば、個別に情報を入力する手間を省けるうえ、社内共有が容易になります。業務の属人化を防ぐことにもつながるため、担当者不在時も含めて全体的な業務効率が向上するでしょう。
また、業務の自動化・効率化は、人手不足の解消や長時間労働の是正にも役立ちます。少人数での業務進行や残業代の削減が可能になることから、人件費を抑える効果も期待できるでしょう。
◇成約率の向上が見込める
購買行動に即したアプローチの最適化・差別化を図ることで、会社全体での成約率アップを期待できます。
CRM・SFAの機能を使えば、顧客情報やヒアリング内容を必要なときにすぐ確認できます。それにより、情報の見落としや対応漏れを防ぐことができるでしょう。
また、CRM・SFAの機能は顧客の属性や購買行動の分析にも活用可能です。一人ひとりの要望にあったアプローチを分析することで、担当者の経験や能力に依存することなく、すべての担当者が適切に対応できるようになるでしょう。
◇顧客情報を資産化できる
CRM・SFAで顧客情報を一元管理できれば、集まった情報を資産化しやすくなります。
顧客情報を分析・共有することで、担当者が適切なタイミングでアプローチできるようになり、機会損失を防ぐことができます。
さらに、資産化した顧客情報から顧客の行動やニーズを分析し、成約までのリードタイムなどを検証すれば、営業活動全体を効率化させることも可能です。
◇顧客満足度の向上が見込める
顧客情報や商談内容の管理・共有によって接客品質や情報発信力がアップすれば、顧客満足度の向上も見込めるでしょう。顧客満足度が高まれば、リピーターや新規顧客の紹介につながる可能性もあります。
また、業績や顧客イメージの向上により、優秀な人材獲得につながるといった相乗効果も期待できます。
■CRM・SFAの導入にはデメリットもある
さまざまなメリットのあるCRM・SFAの導入ですが、デメリットも存在します。
CRM・SFAのおもなデメリットは、導入にかかるコストと時間です。それぞれ、以下でくわしく解説します。
◇コストがかかる
CRM・SFAの導入には、初期費用や月額費用といったコストが発生します。せっかく導入しても、コストに見合う効果が得られなければ損失にもなりかねないため、予算や費用対効果を踏まえて慎重に検討する必要があります。
求める機能は備わっているか、導入によって業務効率はどの程度向上するかを検討するようにしましょう。
◇導入・定着に時間がかかる
CRM・SFAを導入し、社内全体で活用するには、データ移行や従業員への教育などが必要です。しかし、企業によっては、データ移行や社員教育にかける時間を確保するのが難しい場合もあるでしょう。
有用なシステムであっても、活用できなければ意味がありません。システムの導入や定着にかかる時間や負担について従業員の理解と協力を得たうえで、本格運用に必要な導入スケジュールを検討しましょう。
■GMOトラスト・ログインで業務効率化とセキュリティ強化を実現
不動産業界では、CRM・SFA以外にもさまざまな媒体やアプリを使用していることが多いため、IDとパスワードの管理が煩雑になりがちです。
使い回しや簡単なパスワードの多用は、情報漏えいのリスクを高めるだけでなく、アプリやシステムを管理する部門の負担も増加させます。
業務の効率化やセキュリティを考慮すると、IDやパスワードの管理においては、クラウド経由でID認証やシングルサインオンができる「IDaaS」の活用がおすすめです。
とはいえ、数あるIDaaSのなかから自社に合うものを選ぶのが難しいという方もいるでしょう。その場合には、クラウド上で提供される基本料無料のIDaaS「GMOトラスト・ログイン」の導入を検討してみてください。
1つのID・パスワードで複数のシステムにログインできる「シングルサインオン」に対応しており、業務効率化やセキュリティリスク削減の効果が見込めます。
クラウド経由のサービスであるため、既存システムを変えずに導入できます。インストールもスムーズで、操作インターフェースもシンプルで使いやすい構造です。国内にデータセンターを完備しているため、問い合わせも気軽にできます。
また、GMOトラスト・ログインを提供するGMOグローバルサインは、SSL認証局として20年以上の実績がある企業です。情報セキュリティ関連のISO「ISO27001」も取得しており、個人情報の取り扱いについての国際基準を満たしています。
トラスト・ログインに関するお問い合わせはこちら
◇導入事例(株式会社不動産SHOPナカジツさま)
株式会社不動産SHOPナカジツさまは、社内で使用する各アプリのパスワード管理・運用、セキュリティ強化に課題を感じていました。
そこで、充実した機能とコストパフォーマンスに魅力を感じたGMOトラスト・ログインを導入します。
パソコンとスマートフォンで利用した結果、各部署の利用状況を一元管理し、ほぼすべてのアプリで入口を統一できました。パスワードの脆弱性や情報漏えいのリスクも軽減でき、セキュリティ強化を実現できています。
詳細はこちらから
■まとめ
不動産業界は顧客管理において、「業務効率やシステムの古さ」「変化する購買行動への対応力不足」「情報共有のしにくさ」といった課題を抱えています。こうした課題を解決するには、CRMやSFAの導入が有効です。
CRM・SFAの導入で業務の効率化を図ると、成約率の向上や顧客情報の資産化による機会損失の防止、顧客満足度の向上が見込めます。
導入に際してはコストや時間がかかりますが、顧客管理で上記のような課題を抱えている場合は、CRM・SFAの導入を積極的に検討しましょう。
また、CRM・SFA以外にも複数のシステムを利用している場合は、1つのID・パスワードで複数のシステムへログインできるIDaaSの活用もおすすめです。
この記事を書いた人
GMOグローバルサイン株式会社
トラスト・ログイン事業部
プロダクトオーナー
森 智史
国内シェアNo.1のSSL認証局GMOグローバルサインで10年間サポート部門に従事。抜群の知識量と分かり易い説明で多くのお客さまからご支持いただく。
現在は自社IDaaSのプロダクトオーナーとしてお客さまの意見を伺いながら使いやすくセキュリティの高いサービスを開発者たちと共に作成中。