Pマーク(プライバシーマーク)と多要素認証の必要性とは?導入するメリットについても解説

2022/08/05

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インターネットが発達し業務でも活用する昨今では、個人情報を含む重要な情報もインターネットを介してやり取りしています。インターネットが欠かせない現代において個人情報の保護は、企業が社会的な信用を得るために必要な要素の一つです。
なかでも、企業が注目すべきものとして「Pマーク(プライバシーマーク)」と「多要素認証」が挙げられるでしょう。

この記事では、Pマークと多要素認証の概要から必要性について解説し、導入におけるメリットとともにおすすめのシステムを紹介します。
 

■Pマーク(プライバシーマーク)と多要素認証について

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はじめに、Pマークと多要素認証の基本的な知識について見ていきましょう。

◇Pマーク(プライバシーマーク)とは

Pマーク(プライバシーマーク)とは、日本産業規格「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」に則り、適切に個人情報保護の体制を整えている事業者を認定する制度です。Pマークは、一般社団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)または、その指定機関によって認定されます。
JIPDECによれば、Pマークを取得する目的は以下のとおりです。

・消費者の目に見えるプライバシーマークで示すことによって、個人情報の保護に関する消費者の意識の向上を図ること
・適切な個人情報の取扱いを推進することによって、消費者の個人情報の保護意識の高まりにこたえ、社会的な信用を得るためのインセンティブを事業者に与えること

引用:プライバシーマーク制度-制度案内(JIPDEC)

情報化が進んだ昨今では、個人情報は非常に重要な情報として保護する必要があります。企業・事業者がPマークを取得することで、個人情報保護に関する意識の向上だけでなく、社会的な信用を得ることにもつながるでしょう。

なお、Pマークを導入するにあたっては、個人情報がどこまでの範囲を含むのかを理解することが重要です。具体的には、氏名・年齢・住所などの情報のみならず、Webサービスなどへのログイン情報も個人情報として保護しなければなりません。
ログイン情報の保護という点で、近年注目を集めている技術が多要素認証です。
 

◇多要素認証とは

多要素認証とは、ユーザー認証時に複数の要素を組み合わせて認証する仕組みです。認証における要素には、大きく分けて知識情報・所持情報・生体情報の3要素があります。

・知識情報:正規のユーザーのみが知っている情報
・所持情報:正規のユーザーのみが所持している情報
・生体情報:正規のユーザーの生体情報(指紋・静脈・虹彩など)

従来のIDとパスワードによる認証は、知識情報のみを利用した認証方式です。これにユーザーの所有物を用いた認証や、生体情報を用いた生体認証を組み合わせることで、多要素認証が実現します。

多要素認証と似た言葉として二段階認証・二要素認証が挙げられますが、それぞれ次の違いがあります。

・多要素認証:複数の要素を組み合わせた認証
・二要素認証:2つの要素を組み合わせた認証
・二段階認証:認証を2回に分ける認証

二要素認証は多要素認証の一種ですが、二段階認証は要素の組み合わせを意識しないため、多要素認証とはいえません。ただし、いずれも不正アクセス・なりすましなどの防止を目的としている点では共通しています。
多要素認証についてもっと詳しく知りたい方は、「多要素認証とは?二要素/二段階認証との違いや導入のメリットなどを徹底解説」もご覧ください。

 

■多要素認証・生体認証の必要性について

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多要素認証が必要とされる背景には、従来のIDとパスワードの認証が抱える問題点の存在が挙げられます。ここからは従来の問題点と併せて、不正アクセス・なりすましに効果的な多要素認証・生体認証についてより詳しく見ていきましょう。
 

◇ID・パスワードのみの認証の問題点

ID・パスワードを用いた認証の問題点は、不正アクセス・なりすましを防止できない点です。ID・パスワードは、実は第三者がアルゴリズムを活用することで突破される可能性があります。
特にパスワードに関していえば、以前は8文字のパスワードは安全といわれていました。しかし、8文字のパスワードは数時間で解析可能との報告もあるとのことです。

また、近年ではクラウドサービスやテレワークの普及により、ユーザーは非常に多くのID・パスワードの管理を強いられています。そのような状況下では、パスワードを使い回すケースも多く見られ、一度パスワードが漏洩すると多くのサービス・システムへの不正アクセスを許してしまうでしょう。

このように現在は、ID・パスワードのみの認証では、安全にサービス・システムを利用することが難しい状況なのです。

◇多要素認証・生体認証は「なりすまし」防止に効果的

強固なセキュリティが求められる現状に有効な対策が、多要素認証や生体認証です。複数の要素を組み合わせる多要素認証や生体認証であれば、仮にID・パスワードなどを解析されたとしても、不正アクセス・なりすましを防げます。

生体認証で利用される生体情報の例としては、指紋・静脈・虹彩・声紋・顔などが挙げられ、いずれも第三者が複製・偽造することが難しい情報です。多要素認証・生体認証を導入することは、実世界とデジタルの世界を安全につないで利用するために欠かせないといえるでしょう。
生体認証についてさらに知りたい方は、「生体認証とは?仕組みや8つの種類、導入するメリットを紹介」も併せてご覧ください。

 

■多要素認証を導入するメリットとおすすめのシステム

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ここからは多要素認証導入の具体的なメリットについて、多要素認証の導入を検討している場合におすすめのシステム、トラスト・ログインの特徴と併せて紹介します。

◇導入のメリット

多要素認証を導入する最大のメリットは、第三者からの不正アクセスやなりすましを効果的に防ぐことで、セキュリティの向上が実現する点です。クラウドサービスを業務利用する機会が増えた昨今では、さまざまなシステムを安全に利用するには強固なセキュリティ対策が必要不可欠といえるでしょう。

また、Pマークを取得する際には、個人情報保護マネジメントシステム(PMS)の構築・運用が欠かせません。多要素認証・生体認証の導入は安全なログインシステムを実現している証明になるため、Pマーク審査においても有利になります。

◇多要素認証の導入にはトラスト・ログインがおすすめ

多要素認証を導入するには、専用のソリューションが必要です。トラスト・ログインは簡単最速のSSO(シングルサインオン)サービスとして、多くの企業で導入されています。
SSOとは、一度のログインで複数のサービス・システムへのログインを自動化する技術です。多くのクラウドサービスやシステムを利用する昨今では、セキュリティの向上だけではなく、業務の効率化を図るためにもSSOが欠かせません。

トラスト・ログインであれば、ワンタイムパスワード・クライアント認証・プッシュ通知認証に対応しており、多要素認証と併せてSSOまでスムーズに導入できます。トラスト・ログインはISO/IEC27001を取得しているうえ、情報セキュリティに関する長年の実績もあり、稼働率も高いため安心して利用できるでしょう。
なお、IPアドレス制限と他要素認証を組み合わせて、より強固なセキュリティ環境を構築することも可能です。

満足度の高いSSOツールNo.1“トラスト・ログイン”

■まとめ

情報化が進んだ昨今では、企業・事業者は個人情報を保護する必要があります。Pマークは個人情報保護に努める事業者に対し、社会的な信用を認証するための制度です。

知識情報・所持情報・生体情報を組み合わせる多要素認証は、不正アクセスやなりすましを防止する有効な手段であるとともに、Pマーク取得に際しても大きなメリットがあります。
なお、SSOツールのトラスト・ログインであれば、多要素認証と併せてSSOも容易に実現できます。Pマークの取得や社内のセキュリティ強化・業務の効率化を検討されている場合には、トラスト・ログインの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
 


 

この記事を書きました

森 智史
所属:GMOグローバルサイン トラスト・ログイン事業部
トラスト・ログイン プロダクトオーナー