Azure ADとは?Active Directoryとの違いや便利な機能、導入のメリットを紹介

2022/05/10

 

main.jpg多くの企業がクラウド移行を進め、近年では業務でクラウドサービスを利用することは一般的になりました。
しかし、数多くのクラウドサービスを利用する際、ネックとなるのがアカウントの管理です。
従来のオンプレミス環境では、Active Directoryによるアカウント管理が行なわれていましたが、昨今のクラウド環境ではAzure AD(Active Directory)が利用されています。
この記事では、Azure ADの概要から機能やメリットを解説します。併せて、トラスト・ログインのAzure AD連携機能を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

■Azure ADとは?

Azure ADの概要と併せて、Azure ADを理解するうえで欠かせない、Active Directory自体の概要について見ていきましょう。

◇そもそもActive Directoryとは?

Active Directoryは、Windowsパソコンの機能やユーザー情報を管理するために、Windows Serverに設けられた機能 です。“ディレクトリサービス”とも呼ばれています。
Active Directoryは、ユーザーの認証と認可を行なう機能を備えているほか、ソフトウェアの管理や操作ログの管理なども可能です。
おもにオンプレミス環境で利用されるディレクトリサービスの一つで、導入することで認証のセキュリティ強化や簡略化が実現できます。
Active Directoryは、“Active Directoryとは?導入するメリットやデメリット、活用方法について解説”にて詳しく解説しているので、こちらもご覧ください。

◇Azure ADはクラウド型のActive Directory

Azure ADは、Microsoft社が提供しているクラウド版のActive Directoryです。
近年では、インターネットの発達によってテレワークが普及し、オフィス以外で仕事をする機会が増えるなど、業務で利用するクラウドサービスも多様化しています。
従来のActive Directoryはクラウドに対応していないことから、代わりに登場したのがAzure ADです。
オンプレミスのActive Directoryは、社内システムを中心とするユーザー認証のための基盤として利用されていますが、クラウドサービス利用時のユーザー認証を一元的に管理することは難しいといえます。
一方、Azure ADはクラウドサービスのアカウントを一括管理し、安全にユーザー認証できる機能を備えているため、昨今のクラウド環境に適したユーザー認証基盤を実現できます。

■Azure ADの便利な機能

sub1.jpgここからは、Azure ADの便利な機能として代表的な機能を紹介します。

◇クラウドサービスのアカウントを一括管理することができる

Azure ADを利用することで、さまざまなクラウドサービスのアカウントを一括管理できます。
従来の社内環境では、自社システムを含むローカルなアカウント管理だけで十分でした。しかし、昨今はクラウドサービスの普及によりSaaS(※)の利用も増えたため、複数の企業が提供するクラウドサービスでそれぞれにアカウント登録をして利用しています。
Azure ADはそのようなバラバラのアカウント情報を一元的に管理することが可能です。
Azure ADが対応しているおもなサービスは以下のとおりです。

・Adobe Identity Management
・Box
・Dropbox Business

・Evernote
・Microsoft 365
・Slack
・Salesforce
・Zoom など

なお、対応しているサービスは下記ホームページでも確認できます。

Azure AD 対応サービス一覧

Azure ADはオンプレミスのActive Directoryとも連携できるため、ユーザーはオンプレミスの社内システムとクラウドサービスで、同じID情報を利用することも可能です。

◇ユーザー別にアクセス管理をすることができる

Azure ADでは、ユーザーに合わせて、アクセス可能なアプリケーション・クラウドサービスの制限が行なえます。単純にアプリケーション・ユーザー単位のアクセス制限をかけるだけでなく、細かな条件でアクセスを管理できる点が特徴です。
例えば、ユーザーAはクラウドサービス1へのアクセスは常時許可、ユーザーBはクラウドサービス1へのアクセスは社内からのみ許可、というような設定が可能です。
部門・グループ単位でアクセス制限をかけたい場合でも対応でき、クラウドサービスを利用する場合でも細かなアクセス管理が実現できます。

◇ID管理・保護機能

Azure ADは、一般的なID/パスワードの組み合わせによる認証だけでなく、多要素認証や生体認証にも対応しています。Azure ADを介してクラウドサービスにサインインする際に、強固な認証を実現できることからセキュリティの強化が期待できるでしょう。
多要素認証や生体認証は、不正アクセスを防ぐための手段として多くのサービスで利用が推奨されています。クラウドサービスはどこからでも簡単にアクセスが可能なため、不正アクセス対策が欠かせません。
多要素認証や生体認証を詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

・多要素認証とは?二要素/二段階認証との違いや導入のメリットなどを徹底解説
・生体認証とは?仕組みや8つの種類、導入するメリットを紹介

◇シングルサインオン

シングルサインオン(SSO)は、一度のログインで複数のサービスへのログインができる機能です。Azure ADを利用することで、複数のクラウドサービスへのログインを一度のログインだけで実現できます。
オンプレミスのActive Directoryと連携すれば、クラウドサービスだけでなく社内システムも含めたシングルサインオンの実現が可能です。シングルサインオンはユーザーだけでなく、管理者にも多くのメリットをもたらします。
シングルサインオンを詳しく知りたい方は、“基礎から学ぶシングルサインオン(SSO)【メリット・仕組み】”もご覧ください。

■Azure ADを導入する3つのメリット

sub2.jpgAzure ADは多くのメリットをもたらしますが、そのなかでも特に大きなメリットを3つ紹介します。

◇システム管理者の負担が軽減される

ユーザー管理は、システム管理者にとって悩みの種です。特に近年ではクラウドサービスの普及や、テレワークの普及により管理すべきサービス・デバイスの多様化が進んでいます。
煩雑になりがちなユーザー管理をAzure ADは統合し、一括で管理できるようにします。ユーザーのパスワード忘れなどへの対応も、シングルサインオンを実現することで大幅に減らせるでしょう。
また、Azure ADはMicrosoft 365などの業務で利用するクラウドサービスなどとも簡単に連携できるため、管理が簡易化され、システム管理者の負担が軽減されます。

◇低コストで導入や運用ができる

従来のオンプレミス環境に構築するActive Directoryを運用する場合、専用のサーバーの準備から設計・構築・運用と多くの手間とコストがかかります。一方、Azure ADはクラウドサービスであるため、必要な分だけ利用・課金することで無駄なコストをカットできます。
Azure ADを利用するにあたり、サーバーを構築する必要はありません。状況に合わせて規模の拡大・縮小も簡単に行なえるため、柔軟なID統合基盤が構築可能です。

◇セキュリティの強化ができる

Azure ADは多要素認証や生体認証に対応しているため、不正アクセスを防止します。
Azure ADを利用してシングルサインオンを実現すれば、Azure ADを介してアクセスするクラウドサービスに多要素認証などを導入でき、全体的なセキュリティの強化が実現可能です。
いつでもどこからでもアクセスができる点がクラウドサービスのメリットですが、一方で不正アクセスやなりすましによるリスクも高まります。Azure ADはそれらの対策としても有効でといえるでしょう。

■“トラスト・ログイン”のAzure AD連携機能を紹介

クラウドサービスの普及で増え続けるID管理にお悩みの企業に、おすすめのサービスが“トラスト・ログイン”です。トラスト・ログインはAzure ADとの連携もでき、簡単にシングルサインオンを実現するサービスとして多くの企業に選ばれています。

◇トラスト・ログインの基本機能について

トラスト・ログインは、国内登録者数No.1のシングルサインオンサービスです。
ID/パスワードを一括管理できるため、IDの増加で覚えることが大変なユーザーや、管理の煩雑さに悩まされる管理者の課題を解決します。
トラスト・ログインは国産アプリとの連携を重視しており、国内では最多の6,000種類ものテンプレートに対応しています。また、シングルサインオンを簡単に実現できるだけでなく、アクセスコントロールやセキュリティ機能も充実しています。
例えば、管理者がユーザー・部門(グループ)のアクセス可能なサービスをコントロールでき、特定サービスの利用制限や、退職者のアクセス制限なども簡単に行なえます。
また、ワンタイムパスワードやIPアドレス制限、クライアント認証などのアクセス制限にも対応しており、不正アクセスや情報漏えいを未然に防ぐことが可能です。SSL電子証明書の認証局を20年以上営む、認証局ならではのノウハウでパスワードを保護します。
さらに、社員のサービス利用状況をレポートとしてリアルタイムで確認できるログ・レポート機能もあり、監査レポート作成にも利用できます。

◇トラスト・ログインのAzure AD連携

AzureAD連携.pngトラスト・ログインは、Azure AD連携に対応しています。特に、Microsoft 365のためにAzure ADを利用している企業では、トラスト・ログインをお使いいただくことで次のようなお悩みを解決できます。

・Azure ADの管理を簡略化したい
・Microsoft 365のアクセスを制限したい
・Microsoft 365への認証を強化したい

トラスト・ログインのAzure連携機能は、月額100円/ユーザーで利用できるお手頃な価格が特徴。Webブラウザやモバイルアプリなどデバイスを問わず利用できるため、設定も簡単です。トラスト・ログインのセキュリティ機能も追加できるため、Microsoft 365などの各種クラウドサービスの認証強化に役立ちます。

Azure AD連携のお申し込みはこちらから

■まとめ

Azure ADは、ディレクトリサービスであるActive Directoryのクラウド版で、クラウドサービスなどのID管理を一元化し、ユーザーの認証・認可を行なえます。
Azure ADのおもなメリットは、“システム管理者の負担が軽減される”“低コストで導入や運用ができる”“セキュリティの強化ができる”という3点です。
なお、より低コストで国産サービスに特化したシングルサインオンサービスをお求めの企業にはトラスト・ログインがおすすめです。トラスト・ログインはAzure AD連携にも対応しており、Azure ADよりも低コストでID管理に関するさまざまな課題を解決します。
クラウドサービスを含むシングルサインオンの導入や、コストパフォーマンスに優れたID統合基盤をお求めの場合には、トラスト・ログインの導入を検討してみてはいかがでしょうか。


 

この記事を書きました

森 智史
所属:GMOグローバルサイン トラスト・ログイン事業部
トラスト・ログイン プロダクトオーナー